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夫:「ごめん今日も遅くなるし、子供のお風呂よろしく。」
私:「その残業明日にはできないかな・・・今日は体調悪いから早く帰ってきて欲しいんだわ」
夫:「本当にごめん、今日は無理。」
我が家で頻繁に起こるやりとり。
夫は、毎日残業をして帰宅は22時頃。
そして、この残業に対する考えについては夫と何度も喧嘩を繰り返しては分かり合えない経験をしてきました。
「日本人は本当に残業が好きだなぁ!」
以前ドイツに本社のある会社に勤めていたとき、外国人の同僚とのチャットでよく言われたものです。
日本企業と外国企業を両方経験して、外国企業での働き方がとても効率的だと感じ、残業に対する考えががらっとかわりました。
とにかく残業するのが当たり前になっている人に是非読んで欲しいです。
目次
残業・仕事に対する考えを始め、そのほか休暇に対する考え方などを紹介します。
他の会社を覗き見する感覚で読んで見てください。
まずは残業に関して。
掲題の通り、残業ばかりしている人はできない人とあっさり見なされてしまいます。
周りが残業続きだったりすると、声をかけたり、配慮もします。
でも全体に周りがどうであれ気にせず帰る文化が浸透していましたので基本的には気にせず、自分の仕事が終わったら帰ります。
半期ごとに目標設定に「毎週多くとも○時間以内におさめる。」などと自分で定めます。
ボーナスや昇給に関しては個人の成果によって大きく異なるとされていて、残業時間と生産性もその評価基準として高い割合が設定されています。
残業が少ない者はボーナス査定時に高く評価すると明言していました。
通常の毎年付与される有給休暇に加えて、別枠の有給休暇として「sick leave」というものがありました。
毎年10日分、病気の時は普通の有給休暇じゃなくてこっちを消化していいよというものです。
有給休暇のように使わなければ持ち越しというのはできないのですが、体調不良でお休みをもらう時は誰にでも起こりうるので、そのために休暇を削る必要がないというありがたい制度でした。
育休明けに復帰した時には存分に使わせていただきました。
そして夏休みは夏休みで別にしっかりいただきました。
夏休みも、みんながみんな長期間海外旅行へ行くわけではなさそうですが、みんな共通して少なくとも平日5日以上を夏季休暇として取得。
だいたいみんな平均的に2週間ずつ順番に休暇をとっていました。
通常の有給とは別にプラス数日付与されるのはどこの企業もよくある話かと思いますが、全員が数週間順番に取るというのは初めてでした。
フレックス勤務制度も浸透していました。
この制度も名前だけは知っていたものの、転職を繰り返した私ですが実際に利用したのは初めてでした。
簡単にいうと、コアタイムとされていた10:00〜16:00 さえ働いていれば、残りの時間は月単位で自由に自分で設定できるよというものです。
月曜日に忙しい仕事だったので月曜日は8:00〜20:00という残業をしてしまったとします。
火曜日はコアタイムのみで、朝ゆっくり出社して16:00には退社する。
休暇の取り方、日々の労働時間の調整の仕方など、労働時間に関して寛容で、自由な感じがしませんか?
その一方で、これらの制度を叶える為の仕事に対するシビアな面もありました。
この外国企業へ中途入社してから退社するまでの約10年間、常にずっと言われ続けていたこの言葉 「Productivity(生産性)」。
月例のミーティングで入ったばかりの新人事務員さんでも、必ず日々の業務から生産性をあげるようなやり方を1つは絶対探して発表するように言われます。
それはどんな些細なことでも1分1秒でも作業時間を短縮する方法を常に模索し、互いに共有して全員で効率化を測ります。
これは部署内に限らず定期的に他支店とシステム担当者を巻き込んで情報共有をしていました。
それをまた日本として1つにまとめて世界中の支店と共有するといった流れでした。
自分の自由な時間で働いて休暇をしっかりとることもできる。
これだけでは、みんな仕事を放り出して帰りますよね?
そうならない為?かどうかはわかりませんが、誰がどれだけ電話応対をして、どれだけのタスクをこなして、そのタスク1つごとにどれだけ時間を費やしたか、など全て記録されて月末には一覧表で社内webサイトにアップロードされていました。
つまり、仕事はしっかりしていないとバレバレ。
これも特有かもしれませんが、自分の部署に配置できる人員の最大数を部署の社員全員が知っていました。
どれだけ業務が増えようと簡単に人は増やせないと常日毎から上層部より言われ続けていました。
何がなんでもこの人数で回していかないといけないという意識が全員にありました。
その上、残業は誰もしたくありません。
そのため、個人個人が常にどうしたら効率よく仕事を終わらせて早く帰れるか?ということを考えざるを得ない状況ができ上がります。
つまり、声を大にして言いたいのはそんなに残業してまで今日中にやらないといけないことってありますか?ということです。
これは、仕事だけに限らずどのシーンにも言えることだと思います。
家事だって絶対に今日やらないといけないこと以外のことができなかったということに悩む必要ない。
ある程度管理ができるようなタスクならなおさら、ほとんどの会社が営業時間を終えた夜にどうしてもやらないといけない仕事ってないはずです。
明日でいいことは明日にする。
それでも終わらない、毎日終わらない仕事はそもそも仕事量に対する人員の設置が常識はずれか、仕事のやり方に問題があるはず。
ある日トラブルが発生した際に、顧客の要求を叶えるために私は22時まで残業していました。
ドイツ人の同僚の協力が必要で顧客の要求を伝えると、クレイジーだ!そんなクレイジーな客は放って君は家に帰るべき!と言われました。
確かに、顧客の要求は少々厳しいものでしたが、日本では顧客対応のための残業こそが絶対的な残業。
いくら自分が勤めている企業が残業を嫌いワークライフバランスを実現できる働き方を推奨しても顧客の要求まではコントロールできません。
これが日本の残業好きの現実なんだと思います。
顧客に対するホスピタリティがある限り、この国の残業好きはなくならない。
社会全体が変わらないといけない。
もっともっと働くということに対する意識を変えて行く必要があると感じます。
「お・も・て・な・し」
という言葉が流行語に選ばれた年もありました。
もちろん素晴らしいことです。
海外旅行をした後など、特にサービス業では日本ってピカイチだなと思います。
国民性から、歴史から、様々な要因があるだろうかと思います。
海外からの高い評価を受けて単純に嬉しいし、日本人として誇らしいですよね。
でもそのホスピタリティこそが足かせになる事もあると感じます。
例えば顧客への書類案内メール。
○×株式会社
**部 △△様
いつも大変お世話になっております・・・・。
なんて始まるメールを毎回作って送って。
丁寧ではありますが、書類を送るその書類が最終的に正しく直通りに顧客の手元に届くことが目的です。
そこまで丁寧にする必要はない。
実際に以前に上述の以前に勤めていた会社ではそういった書類送付や案内書送付のメールはシステムから本文なしの自動送信。
人の手が必要ないものはどんどん自動化していました。
もちろん事前にきちんと説明してこんな送付方法になりますと断りを入れて方法を変えれば、なんて無礼な!!っていうことにはなりません。
日本人の誇らしいホスピタリティを保持しつつも、方法を変えてどんどんサービスをスリムにして行く必要があると感じます。
いかがでしたか。
世界中から勤勉、残業しすぎと言われる日本人。
私自身日本人として、残業に対する概念を覆された経験を紹介させていただきました。
最初は周りが残業していても自分は残業せずに帰るという行為に慣れませんでした。
でも色々な制度を駆使して自分の自由な時間が増えれば増えるほど、働くことに対しても意識が変わっていくのを感じました。
また、日本人の素晴らしすぎるおもてなし精神はビジネスシーンでもよく見受けられますがそれがある意味効率化を遅らせている可能性もあります。
とにかく残業時間に突入すると同時に明日できることは明日にするという事を意識してみるだけでも残業を減らすことはできるはずです。
ぜひ参考にしてみてください。
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