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男性育休の会社としてのメリットといえば何が思い浮かぶでしょうか。
まず国の支援制度、助成金を受け取れる事、、、など国からの補助がらみのことがまず思い浮かびます。
もうひとつが社内の組織・意識改革も大きなメリットのひとつでしょう。
育休を取る男性社員と会社の関係にメリットがあるのは間違いありません。
労働人口が減少の一途をたどる今、もっと広い視野で男性育休のメリットを考え社会全体で推進していくべきではないでしょうか。
目次
厚生労働省によると、2017年度の男性育休取得率は過去最高の数値を叩き出したらしいのです。
その数字、たったの5.14%。
育休を取りたいと思っている男性社員は半数を超えているのにもかかわらず、何でしょうかこの取得率・・・一瞬なんのパーセンテージかピンとこないほどに小さな数字です。
政府が掲げた2020年までに13%にするという目標には程遠く、あと2年でおよそ3倍の数値に成長するとは、無理だろうとしか思えません。
育休を取りたいとは思っているのに取れない。
その最大の要因は職場風土。
育休を取りづらい職場、周りの目が気になる、出世に響くのではないかと心配・・・など。
以前に勤めて居た会社で、育休をとった男性社員がいました。
山田さん(35歳・仮名)は、専門職で内勤の男性でした。
第1子の誕生後、男性育休の制度があることを知り取得に至りました。
もう10年も前ですが私がその会社に入社して直後のことだったので、男性も育休が取れるなんてすごくいい会社だなあと思っていました。
取得期間は2週間でした。
山田さんが育休に入ってすぐ、その部署の女性陣は悪口、陰口合戦!
「あいつが育休なんて取るから毎日残業。」
「普通おとこが取ろうと思う〜〜!?信じられない!」などなど。
あとあと聞くと、そもそも山田さんはあまり仕事に熱心ではなく今までもいろいろな部署で問題を起こし、現在の部署で簡単な単純作業だけを任されている社員だったのです。
山田さん自身、出世なんて望んでいなくて毎日決まった作業を決まった量やって、周りの残業は御構い無しにさっさと帰宅する、一言でいうとチームワークに向かない空気の読めない社員だったのです。
育休を取得すること、悪いことじゃないしむしろもっともっと広めていこうという国の施策にも沿っている。
それなのに周りのこの反応はなぜ?
その後、出産の報告は何度もあったのに、育休を取得した男性社員は私が在籍していた10年の間ひとりもいませんでした。
会社のできない君である山田さんが育休取得のパイオニアになったところで何も変わらなかった。
周りの反応は業務のしわ寄せに対する苛立ちプラス、普段の山田さんの仕事ぶりに対する苛立ちも上乗せされてしまいました。
それでは浸透するどころか、みんな敬遠してしまいます。
もっと戦略的にトップダウン方式で育休を取得していくべき。
他の社員からの信頼の厚い男性管理職の社員からどんどん育休をとるべきです。
職場風土が男性育休の取得を妨げている。
ではなぜ今それを改善すべきで、なぜ男性の育休取得をもっと推進すべきなのでしょうか?
周りを見渡してください。
管理職に女性は何人いますか?
極めて少ないはずです。
その最大の要因として、妊娠→出産→育児といった一連のライフイベントでキャリアが中断されてしまうことがあります。
育児・家事・仕事の両立に対する悩みはほとんどの場合が母親に重くのしかかっているのではないかと思います。
小学校に入ったところで学童問題、PTA問題など、のしかかる負担は重くなるばかり。
女性の育休取得率は83.2%と一見高水準のように見えますが、第一子を出産後に就業を継続しているのは60%前後。
復帰したは良いものの結局悩みに悩み抜いた母親は退職をいう道を選んでしまう・・・。
もっと社会で活躍すべき人材が誰でも通る可能性のあるライフイベントによって働くことから離脱してしまうことは勿体無いし、人口現象、少子化の流れをどんどん進めてしまうことに繋がっています。
この国の大きな問題の解決のためにも、女性だけでなく夫であり父親である男性と一緒に家庭をきりもりする必要があり、それを実現するためにも男性の育休取得を推進すべき。
男性が育休を取得するということで、女性の家事、育児負担が減る。
育休を取得した男性社員は会社への帰属意識が高まって育休を気持ちよく取得できたことで復帰後の仕事に対するモチベーションも上がる。
育休を取得した夫を持つ妻は、いまよりもより仕事に専念する時間を持つことができ、家庭内での家事・育児分担への悩みも軽減できる。
長期的に働くことができると確信を持てれば、第二子の家族計画へ踏み切ることもできるでしょう。
この流れを誰も疑問を持たない普通の流れにするためにも男性の育休取得推進は重要な施策です。
結果、企業は男女問わず優秀な人材の流出を防げる。
企業にとって、一次的な助成金よりも長期的、且つ、最大のメリットではないでしょうか。
男性の育休はあるべき制度で活用すべき制度であることは確かですが、ただ一定期間仕事をおやすみして育児をこなす、それだけでは意味をなしません。
男性の場合は、育休を取るとその間家で育児に専念して育休が空けるとまた今まで通り毎日仕事するというシンプル構造。
それに対して女性の育休はというと、終わってからが本当の勝負です。
全ての両立を一気に担う人生のスタート。
保育園から、子供の体調不良での呼び出し対応を共働きの夫婦が分担している家庭はどれほどいるでしょうか。
オムツを変える、お風呂に入れる、寝かしつけるなど技術的なことだけを身につけるだけの育休取得では意味がないのです。
それならば、夜だけでもできるし、平日仕事の帰りが遅くても土日だけで身につけることができます。
私の夫は比較的育児に積極的ではありますが、100%ではない。
例えば、オムツを替えることはできるけどウンチをトイレに流すことはできない。
歯磨きはできるけど、口をゆすがせることはできない。
寝かしつけはできないし、やろうともしない。
癇癪を起こしたらどうしたらいいかわからないから、逃げてしまう(驚きの対応)。
結局、無意識に自分がやらなくても妻が最終的にはやってくれるという考えが根底にあります。
だからやろうとはするけれど、仮にできなくても妻がやるからまあいっか。
家事にしてもそうです。
熱を出したから仕事を早退してお迎えに行く。
母親には当たり前にのしかかる責任であるのに、なぜか父親はずっと育児・家事においては補欠要員。
ズバリ育児・家事など、家庭運営の当事者意識をもつためではないでしょうか。
ただ一定期間育児家事やることではないんです。
父親も母親も、同じように仕事して、子供のこと、家のことをする。
これからの人生は、こうだよってわかって欲しい。
大人がお世話しなきゃ自分で何もできない赤ちゃん、初めての育児でわからないことだらけでも自分が責任を持って絶対にこの子を幸せにしなくてはならない。
育児は時々ヘルプすればいいものでも、ただのタスクではありません。
日々成長する愛おしい我が子の命の重みを親として実感するために男性の育休は必要。
母親と同じく親である父親にも育休は活用して、夫婦同じ気持ちで育児と仕事の両立に当事者の意識を持って取り組む社会こそ、いまの日本に必要だと感じます。
育休を取る社員の周りの社員の意識改革も同時に必要です。
育休を取りたいと思っているのに取れない理由である、育休を取りづらい職場風土。
父親になった同僚はこれから小さな命を育て上げるという人生の大きな転機にきているんです。
男性の育児休暇の意味をもう一度みんなで考え直せば、必須且つ命を背負った重要な休暇であることがわかるはずです。
その意識が当事者も周りにも浸透すれば、「あいつが休んだせいで自分の業務が増えた」などの文句もなくなるんではないでしょうか。
そのような社会になって欲しいです。
男性が育休を取得することの最大のメリットは、優秀な人材の確保という視点でお伝えしてきました。
男性が育休を取得することで、働く女性への家事育児負担が軽減されて、優秀な女性がもっと継続してキャリアを積み上げることができれば、日本の深刻な問題である労働人口の現象や、少子化問題への解決につながるはず。
日本の、男性の育休取得率の超低水準の最大の要因は職場風土です。
男性が育休なんて!?って思うひとがまだまだ多い世の中。
男性の育休をただの休暇で終わらせるのでハンク、子を持った男性の当事者意識をもつための人生でとても大切な休暇であるという意識を、休暇をとる本人も、周りの社員もしっかりともつ必要があります。
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