【助成金まとめ】人材育成は2大助成金を活用!支給額や条件など解説

【助成金まとめ】人材育成は2大助成金を活用!支給額や条件など解説

「社員に研修や訓練を受けさせると、国から助成金が受け取れるって本当?」

本当です!

社員研修や訓練などを社員へ受けさせる事で受け取れる助成金
⇒「人材開発支援助成金制度」

非正規社員の処遇改善などがメインに対象となる助成金
⇒「キャリアアップ助成金制度」

この2つの助成金制度は、会社経営者や人事担当者であれば押さえておく必要のある2大助成金です。

厚生労働省のホームページを見ると雇用主が受け取れる助成金がズラーリと羅列されていて、情報の宝庫であるのは確かであるがしかし、わかりにくい・・・!

手続きとか条件とか、理解しようとするのもめんどくさいですよね。

今日はこの2大助成金について、わかりやすく解説していきたいと思います。

目次

「人材開発支援助成金」と「キャリアアップ助成金」の全体像を図で解説

まずは細かい説明の前に、この2つの助成金の全体像を把握することから始めましょう。

人材開発支援助成金

従業員に職務に関連する訓練を受けさせた時に、その訓練コストや訓練期間の賃金の一部を助成してくれる制度です。

7つのコースに分かれていて、その中の特別訓練コースはさらに7つの訓練の種類に分かれています。

【助成金まとめ】人材育成は2大助成金を活用!支給額や条件など解説

キャリアアップ助成金

非正規社員の処遇改善に対する助成金です。
こちらはよりシンプルに7つの処遇改善の種類によってコース分けされています。

【助成金まとめ】人材育成は2大助成金を活用!支給額や条件など解説

2つの助成金、全体像は掴んでいただけましたか?

押さえておきたい用語解説&予備知識

本題に入る前に少し、頻繁に使用される用語を簡単に解説します。
頭の隅に置いておきましょう。

「OFF-JT」

Off the Job Trainingの略称で、企業の事業活動と区別して実施される訓練方法です。
実際に業務を訓練せずに一般的な訓練を受けます。

「OJT」

On the Job Trainingの略称で、適格な指導者の下、企業内事業活動中で行われる実務を通じた訓練います。
実際の企業・団体で担当する業務を担いながら訓練を受けます。

「生産性要件」

特定に基準を満たすと「生産性要件を満たす場合」に該当し助成金額がアップします。
生産性要件を満たす算定をする場合は、厚生労働省HPの「生産性要件算定シート」に要件項目を入力して算定します。

対象となる「中小企業・大企業」の定義について

「人材開発支援助成金制度」は企業規模により助成金対象の是非が決められています。

助成対象は、企業規模で「中小企業」「中小企業以外」で適用するか決められています。
その中小企業にあたる事業規模の前提条件は下記の通りです。

資本金額または出資金額と企業全体で常用雇用する従業員数のどちらかに該当すると「中小企業」の分類になります。

事業 資本金額 または、出資金額 企業全体で常用雇用する従業員数
小売店
飲食店
5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他の業種 3億円以下 300人以下

予備知識は理解できましたか?
詳細を読み進めていくうちにまたわからなくなったら、ここへ戻っておさらいしましょう。
では早速「人材開発支援助成金」から詳しい内容を見ていきましょう!

「人材開発支援助成金」とは?対象となる取り組み・労働者の雇用形態

7つのコースの対象となる訓練・労働者の雇用形態を解説していきます。

① 特定訓練コース
② 一般訓練コース
③ 教育訓練休暇付与コース
④ 特別育成訓練コース
⑤ 建設労働者認定訓練コース
⑥ 建設労働者技能実習コース
⑦ 障害者職業能力開発コース

上記7つのコースがある 「人材開発支援助成金制度」は、企業規模(中小企業、事業主団体、それ以外)により助成金対象のわくが決められています。
まずはご自身の企業規模がどこにあたるのかを、下記一覧でチェックしましょう!

資本金の額・出資の総額 常時雇用する労働者の数(※)
小売業(飲食店を含む) 5,000万円以下 または 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売 1億円以下 100人以下
その他の業種 3億円以下  300人以下

(※)常時雇用する労働者の数とは、二ヶ月を超えて使用される者(実態として二ヶ月を超えて使用されている者のほか、それ以外の者であっても雇用期間の定めのない者および二ヶ月を超える雇用期間の定めのあるものを含む。)であり、かつ、週当たりの所定労働時間が当該事業主に雇用される通常の労働者と概ね同等である者をいいます。

企業規模はわかりましたか?
ではそれぞれのコースの概要と対象となる企業を見ていきましょう。

① 特定訓練コース:全ての企業が対象です。
  雇用型訓練・若年労働者への訓練・技能承継等を目的にしています。

② 一般訓練コース:中小企業と事業主団体等が対象です。
  上の特定訓練から以外の内容の訓練です。

③ 教育訓練休暇付与コース:中小企業が対象です。
  助成する訓練内容は、有給教育訓練休暇制度を導入し訓練を受けた場合に支給されます。

④ 特別育成訓練コース:中小企業と中小企業以外の企業が対象です。
  中小企業等担い手育成訓練を目的にしています。

⑤ 建設労働者認定訓練コース:建設事業を営む中小企業・事業主団体等が対象です。
  助成する訓練内容は、建設関連の訓練を目的にしています。

⑥ 建設労働者技能実習コース:建設事業を営む中小企業以外・中小企業が対象です。
  建設業法施行規則に規定する基幹技能者講習訓練を目的にしています。

⑦ 障害者職業能力開発コース:事業主団体等が対象です。
  訓練内容は、障害者職業能力開発訓練の運営企業を助成する仕組みです。

「人材開発支援助成金」の助成額はいくら?

「人材開発支援助成金制度」が助成される諸条件があります。
これから「人材開発支援助成金制度」の7つのコースでの諸条件と経費助成金額・賃金助成比率を説明します。

① 特定訓練コース

OFF-JT OJT
中小企業 中小企業以外 中小企業 中小企業以外
✖生産性要件 経費助成率 40% 30% 助成なし 助成なし
賃金助成額

(時給)

¥760 ¥380 ¥665 ¥380
〇生産性要件 経費助成率 60% 45% 助成なし 助成なし
賃金助成額

(時給)

¥960 ¥480 ¥840 ¥480

② 一般訓練コース

OFF-JT OJT
中小企業 中小企業以外 中小企業 中小企業以外
✖生産性要件 経費助成率 30% 30% 助成なし
賃金助成額

(時給)

¥380 ¥380
〇生産性要件 経費助成率 45% 45%
賃金助成額

(時給)

¥480 ¥480

③ 教育訓練休暇付与コース

生産性要件を満たしていないとき30万円、生産性要件を満たししているとき36万円です。

④ 特別育成訓練コース

OFF-JT OJT
中小企業 中小企業以外 中小企業 中小企業以外
✖生産性要件 経費助成率 実費 実費 助成なし 助成なし
賃金助成額

(時給)

¥760 ¥475 ¥760 ¥665
〇生産性要件 経費助成率 実費 実費 助成なし 助成なし
賃金助成額

(時給)

¥960 ¥600 ¥960 ¥840

⑤ 建設労働者認定訓練コース

経費助成は生産性要件を満たしていないとき16.7%の助成があります。

賃金助成額(日額)があり、生産性要件を満たしていないとき¥4,750、生産性要件を満たしているとき¥6,000です。

⑥ 建設労働者技能実習コース

企 業 規 模 中小企業(建設業) 中小企業
以外
(建設業)
中小企業
建設
事業団体
中小企業
以外建設
事業団体
従業員数 20人以下 21人以上
年  齢  層 35歳未満 35歳以上
✖生産性要件 経費助成率 75% 70% 45% 60% 80% 66.60%
賃金助成額

(日額)

¥7,600 ¥6,650 助成なし 助成なし 助成なし
〇生産性要件 経費助成率 90% 85% 65% 75% 75% 75%
賃金助成額

(日額)

¥9,600 ¥8,400 助成なし 助成なし 助成なし

⑦ 障害者職業能力開発コース

生産性要件を満たしていないときに障害者職業訓練施設の設置に3/4までの助成があります。
但し上限金額が設定してあり、初年度は5,000万円まで翌年以降は1,000万円です。
また施設運営費用の4/5が助成されます。
但し上限金額が設定してあり、1人あたり月額助成金額は17万円です。

「キャリアアップ助成金」とは?対象となる取り組み・労働者の雇用形態

次は、2大助成金の2つ目「キャリアアップ助成金」について解説していきます。

有期契約労働者・短時間労働者・派遣労働者の非正規雇用労働者向けの企業内キャリアアップ促進するための制度です。
正社員化及び処遇改善の取組を実施した事業者に対して助成するコースなどがあります。

コースは7種あり、概要は以下の通りです。

助成名称 助成内容
正社員化コース 有期契約労働者等を、正規雇用労働者等に転換または直接雇用した場合に助成
賃金規定等改定コース すべてまたは一部の 有期契約労働者等基本給 の賃金規定等を増額改訂し、昇給した場合に助成
健康診断制度コース 有期契約労働者等を対象とする 「法定外の健康診断制度」を新たに規定し、延べ4人以上実施 した場合に助成
賃金規定等共通化コース 有期契約労働者等に関して 正規雇用 労働者と共通の職務等に応じた賃金定を作成し、適用した場合に助成
諸手当制度共通化コース 有期契約労働者等に関して正規雇用労働者と共通の諸手当制度を新たに設け、適用した場合に助成
選択的適用拡大
導入時処遇改善コース
労使合意に基づく社会保険の適用拡大措置より、有期契約働者等を新た被保険者として基本給を増額した場合に助成
短時間労働者
労働時間延長コース
短時間 労働者の週所定時間を 労働者の週所定時間を延長し、新たに社会保険を適用した場合に助成

「キャリアアップ助成金」の助成額はいくら?

では、キャリアアップ助成金制度の7つのコース、それぞれの助成金はいくらもらえるのか?
一番気になるのはそこですよね。

各コースのもらえる助成額を、わかりやすく表にまとめました!

① 正社員化コース

1年度1事業所あたり、最大20名まで申請可能です。

雇用形態改善 中小企業 中小企業以外
✖生産性要件 〇生産性要件 ✖生産性要件 〇生産性要件
有期→正規 ¥570,000 ¥720,000 ¥427,500 ¥540,000
有期→無期 ¥285,000 ¥360,000 ¥213,750 ¥270,000
無期→正規 ¥285,000 ¥285,000 ¥285,000 ¥285,000

② 賃金規定等改定コース

(1) 全ての有期契約労働者の賃金改定を2%以上増額した場合の助成金

最下段の11人~100人の助成金は1人あたりになります。

対象労働者数 中小企業 中小企業以外
✖生産性要件 〇生産性要件 ✖生産性要件 〇生産性要件
1人~3人 ¥95,000 ¥120,000 ¥71,250 ¥90,000
4人~6人 ¥190,000 ¥240,000 ¥142,500 ¥180,000
7人~10人 ¥285,000 ¥360,000 ¥190,000 ¥240,000
11人~100人 ¥28,500 ¥36,000 ¥19,000 ¥24,000

(2) 一部の賃金改定を2%以上増額した場合の助成金

最下段の11人~100人の助成金は1人あたりになります。

1年度1事業所あたり、最大100名まで申請可能です。

対象労働者数 中小企業 中小企業以外
✖生産性要件 〇生産性要件 ✖生産性要件 〇生産性要件
1人~3人 ¥47,500 ¥60,000 ¥33,250 ¥42,000
4人~6人 ¥95,000 ¥120,000 ¥71,250 ¥90,000
7人~10人 ¥142,500 ¥180,000 ¥95,000 ¥120,000
11人~100人 ¥14,250 ¥18,000 ¥9,500 ¥12,000

③ 健康診断制度コース

1事業所あたり1回限りです。

中小企業 中小企業以外
✖生産性要件 〇生産性要件 ✖生産性要件 〇生産性要件
¥380,000 ¥480,000 ¥285,000 ¥360,000

④ 賃金規定等共通化コース

1事業所あたり1回限りです。

中小企業 中小企業以外
✖生産性要件 〇生産性要件 ✖生産性要件 〇生産性要件
¥570,000 ¥720,000 ¥427,500 ¥540,000

⑤ 諸手当制度共通化コース

1事業所あたり1回限りです。

中小企業 中小企業以外
✖生産性要件 〇生産性要件 ✖生産性要件 〇生産性要件
¥380,000 ¥480,000 ¥285,000 ¥360,000

⑥ 選択的適用拡大導入時処遇改善コース

1事業所あたり1回限りで、最大申請人数は30名までです。

基本給の
総額割合
中小企業 中小企業以外
✖生産性要件 〇生産性要件 ✖生産性要件 〇生産性要件
3%以上5%未満 ¥19,000 ¥24,000 ¥14,250 ¥18,000
5%以上7%未満 ¥38,000 ¥48,000 ¥28,500 ¥36,000
7%以上10%未満 ¥47,500 ¥60,000 ¥33,250 ¥42,000
10%以上14%未満 ¥76,000 ¥96,000 ¥57,000 ¥72,000
14%以上 ¥95,000 ¥120,000 ¥71,250 ¥90,000

⑦ 短時間労働者労働時間延長コース

1年度1事業所あたり、最大15名まで申請可能です。

(1) 短時間労働者の週の所定労働時間を5時間以上延長した場合の助成金

中小企業 中小企業以外
✖生産性要件 〇生産性要件 ✖生産性要件 〇生産性要件
¥190,000 ¥240,000 ¥142,500 ¥180,000

(2) 短時間労働者の週の所定労働時間を5時間未満延長した場合の助成金

週の所定労働時間
延長時間
中小企業 中小企業以外
✖生産性要件 〇生産性要件 ✖生産性要件 〇生産性要件
1h以上2h未満 ¥38,000 ¥48,000 ¥28,500 ¥36,000
2h以上3h未満 ¥76,000 ¥96,000 ¥57,000 ¥72,000
3h以上4h未満 ¥114,000 ¥144,000 ¥85,500 ¥108,000
4h以上5h未満 ¥152,000 ¥192,000 ¥114,000 ¥144,000

どのコースを選べばいいの!?会社と社員に合う制度がわかるチェックリスト!

ここまで、「人材開発支援助成金制度」や「キャリアアップ助成金制度」の各コースについて解説してきましたが、たくさんあるのでいったいどの助成金のどのコースが自分の会社に合うのかがわかりませんよね。

今回は、社員に研修を受けさせたい場合と、社員の処遇改善をしたい場合でどの助成金がベストなのかを導くチェックリストを作成しました。

本題に移る前に、助成金制度を活用して人材育成するためには前提条件があります。
過去に不具合があった事業所への助成はされません。

ご自身の会社がそれに該当しないかをまずはチェックしてみましょう。
項番(№)1〜5に「〇」がある場合は助成対象外になるケースがあるので要注意です。

過去の助成履歴 結果
1 他の訓練系や賃金助成系の助成金を同一人物または同一訓練コースで申請していますか? 〇 ✖
2 不正受給(偽りや不正行為により、本来受けることのできない助成金の支給を受けまたは受けようとすること)をしてから3年以内に支給申請をした事業主、又は支給申請日後、支給決定日までの間に不正受給をした事業主ですか? 〇 ✖
3 支給申請日年度の前年度より前のいずれかの保険年度の労働保険料を納入していない事業主(支給申請日の翌日から起算して2か月以内に納付を行った事業主を除く)ではありませんか? 〇 ✖
4 支給申請日の前日から起算して1年前の日~支給申請日の前日までの間に、労働関係法令の違反があった事業主ですか? 〇 ✖
5 訓練実施計画届の提出日の前日~起算して6か月前の日間に雇用する雇用保険被保険者を事業主都合により解雇等(退職勧奨を含む)を行っていませんか? 〇 ✖

一箇所でも「〇」がある場合、公共職業安定所との相談を要します。
また、事業所内で下記の社内規則を整備していないと、助成が受けらません。

現在の労働環境状況 結果
6 時間外・休日労働に関する協定届(36協定)を、所轄労働基準監督署に届出していますか? 〇 ✖
7 時間外・休日労働の割増賃金を適切に支払っていますか? 〇 ✖
8 就業規則はあるますか? 〇 ✖
9 労働者数が10人以上の場合に、就業規則を所轄労働基準監督署に届出してありますか? 〇 ✖
10 経営理念・経営方針に基づく人材育成の基本方針・目標の策定をしていますか? 〇 ✖
11 昇進昇格・人事考課等に関する事項の策定をしていますか? 〇 ✖
12 職務に必要な職業能力に関する事項の策定をしていますか? 〇 ✖
13 教育訓練体系(図・表等)の策定をしていますか? 〇 ✖

一箇所でも「〇」がある場合、公共職業安定所との相談を要します。

企業・団体の事業所は上記の助成対象であるか確認することが先決です。
その後の公共職業安定所の担当窓口で相談しましょう。

社員に研修を受けさせたいに選ぶのは「人材開発支援助成金」

社員に研修を受講させたいときに適用される助成金は、「人材開発支援助成金」の特定訓練コースと一般訓練コースです。

対象となる訓練の例

「人材開発支援助成金制度」の特定訓練コースは7種あります。

① 労働生産性向上訓練
② 若年人材育成訓練
③ 熟練技能育成承継訓練
④ グローバル人材育成訓練
⑤ 特定分野認定実習併用職業訓練
⑥ 認定実習併用職業訓練
⑦ 中高年齢者雇用型訓練

それぞれの訓練コース受講の対象者・訓練の条件・訓練例を説明します。

① 労働生産性向上訓練:労働生産性向上を目的に訓練を実施すること助成が受けられる訓練メニュー
対象者は訓練申請事業所の従業員で雇用保険の被保険者です。条件は、OFF-JTで、訓練時間が10時間以上です。
訓練例は、職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)・職業能力開発大学校等で実施する高度職業訓練です。

② 若年人材育成訓練:事業所と雇用契約をして5年以内・35歳未満の労働者に訓練を実施することで助成が受けられる訓練メニュー
対象者は事業所と雇用契約をして5年以内・35歳未満の雇用保険の被保険者です。
条件は、OFF-JTで、訓練時間が10時間以上です。
訓練例は、基幹人材として必要な知識・技術を順次習得する訓練です。
金属加工職のケースでは、1年目にプレス加工基礎研修、2年目に金型図面の見方研修、3年目に電気溶接技能研修と検定を実施します。

③ 熟練技能育成・承継訓練:熟練技能者の指導力強化・技能継承を目的とした訓練と認定職業訓練を実施することで助成が受けられる訓練メニュー
対象者は訓練申請事業所の従業員で雇用保険の被保険者です。
条件は、OFF-JTで、訓練時間が10時間以上です。
訓練例は、熟練技能者が教える能力を向上させる職業訓練指導員講習です。
また、熟練技能者を講師にして、その技術を従業員に伝える研修を実施します。

④ グローバル人材育成訓練:海外業務を目的に訓練を実施することで助成が受けられる訓練メニュー
対象者は訓練申請事業所の従業員で雇用保険の被保険者です。
条件は、OFF-JTで、訓練時間が10時間以上です。
訓練例は、語学力・コミュニケーション能力向上のための講座受講と、国際法務・国際契約・海外マーケティング・海外地域事情に関する講座受講です。

⑤ 特定分野認定実習併用職業訓練:建設業・製造業・情報通信業に関する認定実習併用職業訓練を実施することで助成が受けられる訓練メニュー
対象者は、15歳以上45歳未満で雇用保険の被保険者です。
訓練例は、情報通信技術者のケースでは情報セキュリティ・ネットワークインフラにおける体系的な実践訓練を通じて各企業の生産活動・競争力を支える基幹人材を育成する訓練です。

⑥ 認定実習併用職業訓練:OJT訓練で実習併用職業訓練(実践型人材育成システム)を実施することで助成を受けられる訓練メニュー
対象者は、15歳以上45歳未満で雇用保険の被保険者です。
訓練例は、企業内のOJT訓練と教育訓練機関で行われるOFF-JTを組み合わせた訓練です。

⑦ 中高年齢者雇用型訓練:中高年齢者の新規雇用者を対象としたOJT付き訓練を実施した場合に助成が受けられる訓練メニュー
対象者は、45歳以上65歳未満で雇用保険の被保険者です。
訓練例は、企業内のOJT訓練と教育訓練機関で行われるOFF-JTを組み合わせた訓練です。

非正規社員のキャリアアップや処遇を改善したい時は「キャリアアップ助成金」

従業員へのキャリアアップ・処遇改善すると助成が受けられるケースがあります。
そんな時は、「キャリアアップ助成金」から自社にあったものを探しましょう!

「有期契約労働者」「短時間労働者」「派遣労働者」の非正規雇用の労働者の企業内でキャリアアップの促進を目的に「正規雇用への転換」「人材育成・処遇改善」を実施し処遇が改善されます。

生産性要件を満たしたとき・処遇改善されるとさらに多い金額が助成されます。

対象となるキャリアアップや処遇改善の5ステップ

例えば、「健康診断制度コース」の例を挙げます。
今まで社員の健康診断を、就業規則にも定めておらず行なってもいなかったケースです。

今後、就業規則にそれを定めて、社員に受けさせる事で助成金を受け取ることができます。

具体的な改善の手続きの流れは以下となります。

① 健康診断制度を就業規則に反映して、所轄労働局に申請します。
② キャリアアップ計画期間中に健康診断制度を実施します。
③ 延べ4名の従業員の健康診断を実施します。
④ 健康診断を実施した日から2ヶ月以内に所轄労働局に申請します。
⑤ 審査され支給が決定し助成されます。

健康診断の受診が無かった企業は、上のようなステップを経てキャリアアップ助成金制度を受けることができます。
思ったよりも時間がかかるようにも見えますが、企業にとって取り組みやすいコースでもあると言えます。

「キャリアアップ助成金制度」のチャート

契約社員等から正社員等への転換制度等を導入・運用し、対象者が出た場合 キャリアアップ助成金 (正規雇用等転換)
1人 20~40万円
(10人まで / 母子家庭等の母は10万円加算)
短時間正社員制度等を導入・運用し対象者が出た場合 キャリアアップ助成金 (短時間正社員)
1人 20万円
(10人まで / 母子家庭等の母は10万円加算)
契約社員等に職業訓練等を行った場合 キャリアアップ助成金 (人材育成)
賃金助成 1人1時間あたり 800円
経費助成 1人 20万円(上限)
契約社員等の賃金水準の向上を図った場合 キャリアアップ助成金 (処遇改善)
 1人 1万円
職務評価を活用の場合、10万円を加算
契約社員等に法定外の健康診断制度を導入・実施した場合 キャリアアップ助成金 (健康管理コース)
1事業所 40万円
短時間労働者の週所定労働時間の
延長(30時間以上)を行った場合
キャリアアップ助成金 (所定労働時間延長コース)
1人 10万円

 

まとめ

事業主は「人材開発支援助成金制度」「キャリアアップ助成金制度」を活用して、未経験者を経験者に育成しましょう。
従業員は上の制度を活用してスキルアップに臨みましょう。

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