国内No.1の社員研修・企業研修サイト[社員研修プロ]
最近入った新人が何度言っても電話を取らなくてイライラ。
数年事務職に勤続していれば誰しも経験することではないでしょうか。
事務職の経験のある方なら、電話のコールが鳴って長くても2秒のうちに取るのが普通。
もう体にその感覚が染み付いて、反射的に意識と身体が受話器へ行くものです。
ところが最近は電話に積極的に出ない、出る必要性すら感じていない新入社員が多いと良く聞きます。
私も以前に教育係を任命された際、そんな新人に数名出会いました。
一体なぜでないのか、今後どういう教育をしていけばいいのか。
今日は現場で感じたことを踏まえ、職場教育の問題と改善点をお伝えします。
目次
私が出会った電話に取らない新人たち。
是非もっと電話をとってもらう為に、彼らの抱える問題点を問うた質問に対する答えを紹介します。
新入社員として自分が入った組織では、新人である自分が電話をとるべき。
私もそう思っていました。
それが当たり前であり、そこになんの疑問もない。
ところが、イマドキの新人さんにはそれがないのです。
「そもそも新人だからってなぜ電話を取らなければならないのですか?私忙しいのに」といった感覚です。
つまり、「新人なんだから電話取りなさい!当然でしょ!」はもう通用しなかったのです。
もちろん、新人よ電話を取りなさいには役割としても教育としても色々な意味を込めているわけです。
当然わかるよね?と、それを改めて伝えてもいなかったし、もちろんわかっていなかった事が問題でした。
・いくら忙しいといっても、周りの先輩はあなたの数倍の仕事を抱えている。
誰でもできるはずである電話応対は新人がかって出るべき。
新人である今、電話に出ることがこの部署にとって一番の力であり、周りの助けになる。
・電話応対を積極的に行えば、仕事の流れや取引先の事など、多くの事がそこからも学べる。
・電話を積極的に取ることは、決して雑用ではなく、会社の一つの部署の窓口であるので一番最初に担う重要任務である
・電話の取り次ぎを通して、部署内のメンバーとのコミュニケーションを図れるきっかけになる。
などなど・・・挙げればきりがないほど、新人が電話をとるべき理由は新人の為になる事もたくさんあるということ。
これを伝えることからスタートだったのです。
それを伝えた上で最後に確認すべきなのが、その新人の意思。
どういう理由で自分が電話をとるべきかを理解したかどうかを確認して、今後電話をとる意思があるかどうかがミソ。
理解して電話に出ると新人に自分の意思を持たせれば電話をとるようになるんではないでしょうか。
そこで初めて、なんで電話に出ないの?ときいた時にまともな会話ができるのだと思います。
こうしろ、ああしろと言われたけど理由ややるべきである意味を理解していなければ、「なんで自分がやらなきゃいけないの?」という疑問・不満はいずれ生まれます。
そして電話応対は新人が積極的にすべきなのはなぜか?を新人がしっかり理解していたら、その後の部署内の業務分担などに関しても応用できる考え方なのではないでしょうか。
「新人がやって当然でしょ?」と思っている常識が、年も育った環境も違う新人にとっての常識と一致しているという考えを取っ払うところから始まりです。
最近では、ネット・スマホの普及によりどんなことでも他人と話すことなく全てを終えることができてしまいます。
レストランや美容院の予約
クレジットカードの申し込み
友人・親との連絡
アルバイト探しや応募まで最近はウェブ上で完結してしまうものもあります。
固定電話を置かない家庭も増えています。
人生のほとんどがそんな世の中であった新人も少なくありません。
彼らからしたら、他人の電話応対を聞いたこともないし馴染みのないものであるのは間違いありません。
しかしながらビジネスシーンでおいてはたとえネットやメールが発展していっても電話応対は避けることができないのです。
実際に業務の中では、取引先に対しメールだけではうまくニュアンスの伝わらない用件もあります。
私の勤めていた会社は、電話応対研修はありませんでした。
私がやるのを見て聞いて、真似してね。
と言っても、もじもじ。
そうこうしている間に私だけではなく部署全体で堪りかねて誰かが電話をとる。
その光景に、「自分が出なくても他の人が出る。」、「電話応対に自信のない自分が出るより先輩が出た方が、スムーズに用事が済んでいる、自分はあんな風にはできない」と、ますます自信をなくしてしまいます。
電話応対って慣れていて自分ができていれば、それは業務の中のほんの一部となって難しさを感じる場面も少ないですよね。
しかし、本当にまっさらのビジネスの場面に一度も遭遇したこともない新人からしたらどうでしょう?
面と向かってはなかなか口にしない言葉も、電話応対では普通であったり、自分の上司のことを社外の人へ伝えるときには呼び捨てにしないといけなかったり、非日常すぎると感じても無理ないのかもしれません。
会社の名前を聞き取れなかったらどうしよう。
「え?なんて?」って聞き返すわけにはいかない。
そういった不安を解消するのは先輩の指導はもちろんですが、忙しい先輩にゆっくり電話応対に関する時間をもらうわけにもいけないのも現場の現実です。
ただ単に、こういう言い回し、こういう言い方ですよ、とマニュアル的な研修ではなくロールプレイングを盛り込んだものがいいです。
そこで実際の電話応対スキルを身につけるという事はもちろん必須。
そして何より新人である彼ら自身が電話に出るための自信につなげること。
ここに焦点をおいた研修が実際に社外からの電話を受け答えする第一歩を踏み出すのに最重要です。
自分にもできる。
そういった研修で作り上げた電話応対に対する恐怖心の撤廃、自信をつけることはやはり必要です。
先輩の言い回しを盗んだり、真似したりする余裕が生まれてくるのは、研修あってこそではないかなと感じました。
さらに周りの協力体制。
これもかなり需要な点だと考えます。
もじもじしている間に他の人が電話に出ちゃう。
電話を取る、新人の最初の登竜門であるからこそ教育係りだけでなく、部署内全員を巻き込んでいいんじゃないかって思います。
「今日の午後○時から○時までは△△さんが電話を取る訓練をしたいので、みなさん極力でないようにお願いします。」
こうやって周りを巻き込んでいくことで、新人と教育係り以外のメンバーとがコミュニケーションを図れるきっかけにもなると思います。
電話を取らない新人、イライラしますよね。
今回の記事では私が教育係りとして経験した2パターンの電話を取らない新入社員のお話をしました。
1人目は、新人だからなぜ電話を取らないといけないの?という、新人が電話応対を積極的にすべきと私が考える理由が伝わっておらずなかなか電話に出てくれなかった社員。
2人目は、電話を取ることに恐怖心を抱いている社員を紹介しました。
それとともにこの両者が電話応対へ積極的に行動するための教育を合わせてお伝えしました。
電話応対は、誰もが通る社会の仲間入りの第一歩、登竜門のようなものに感じます。
周りとの関わり合い、電話口の相手への対応や言い回しなどなど。
電話応対から学ぶことってたくさんあるんです。
そこでしっかり電話応対という一つのタスクに向き合った社員、社員を向き合わせるよう環境を整えた教育係り、部署、会社が、より良いメンバーで会社を運営でき、さらには業績向上へも繋がるのではないでしょうか。
...
...
...
...